– EXHIBITION INFORMATION –
plateau
小林 茂太
この度LAGでは2025年1月17日(金)より2月8日(土)まで、小林 茂太の個展“plateau”を開催いたします。 自然の事象や人間の痕跡をテーマに写真家として活動する小林は、2018年のアイスランドでの滞在時に様々な自然の形態を目の当たり にしたことをきっかけに地質学的な現象に関心を持ち、以降その視点を自作に取込みながら制作を続けてきました。 今回展示される新作シリーズ“plateau”は、北アルプスに位置し広大な自然が広がる雲ノ平にて撮影されています。 本来目に見えないはずのものが何らかの理由で目に見えるものとして露出すること。 地質学の分野で「露頭」と呼ばれる現象に興味をもった小林は、高山の湿原に生じる「池塘」と呼ばれる池沼や、噴火の名残として台 地に露出する岩石、吹雪の影響で独特な形状を成す樹木など、長い年月の中で形成されたその土地特有に露われる様々な自然のかたち に注目しました。 写真という媒体を通じてそれらを提示することで、人間と自然との距離感や、人間の自然への態度のあり方などに対しての再考を促す 小林の作品を是非ともご高覧ください。 尚、本展では小林が主宰する出版レーベルbooks cairnより出版された作品集『plateau』(印刷:LIVE ART BOOKS)も販売いたします。 また、会期中には雲ノ平山荘代表である伊藤二朗氏を招いてのトークイベントも開催予定です。
日本の北アルプスにある雲ノ平山荘で滞在制作した際、山荘の周辺に点在する池のさまざまなかたちに興味をひかれた。雲ノ平は、飛騨山脈にある黒部川源流部のなだらかな溶岩台地に位置し、また、こうした特異な環境下の湿原で形成される池のことを池塘(ちとう)と呼ぶことを知った。それから2年後、再び雲ノ平を訪れると、今度は同様に台地に点在する岩石や樹木のかたちに興味をひかれた。 池塘や岩石、樹木を眺めていると、それぞれのかたちをそうあらしめてきた自然現象や形成されるまでの時間について考えを巡らせずにはいられなかった。それと同時に、そのようなありきたりでどこか借りもののような自然への態度は、そこまで歩いてきた道のりや昨日まで一緒にいた家族のことが実感として思い浮かぶと、どれほどの自然であったとしても自身の中で一つの交点を結ぶように感じた。 日常の生活からかけ離れているかのような北アルプスの自然を対象としながら、紛れもなく日常と地続きにあるこれらのかたちを通して、遠い場所のできごとや想像することでしか感覚することの難しいものごとを身近に感じるきっかけとなれば幸いである。
ー 小林 茂太
◆◆ Exhibition Information ◆◆
『plateau』
著者:小林 茂太
発売日:2024年11月28日
本体価格:3,800円(税込)
仕様:上製A4 変型(210 x 278)
寄稿:伊藤二朗(雲ノ平山荘代表)
デザイン:宮添浩司
印刷・製本:ライブアートブックス
発行所:books cairn
特別協力:合同会社雲ノ平山荘
*会場にて販売。
◆ Venue
LAG(LIVE ART GALLERY) | ライブアートギャラリー
アートブックを中⼼とする⾼品質なものづくりを⾏なってきた株式会社ライブアートブックスが、ギャラリーの運営・企画等を通して国内外のクリエイター・アーティストたちを⽀援し、アート⽂化の発展を⽀え続けることができる空間を運営します。自社で携わった制作物の刊行・プロジェクトに合わせた企画を主軸に、現代アートや写真等多岐に渡る展覧会を開催、ギャラリー等の美術関連施設や第1線のクリエイター達が拠点を構える神宮前の導線の一つとなることで、アーティストや来場者、出版社等、感度の高い人々の新たな繋がりの創出を目指します。
住所 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
営業時間:13:00 – 19:00(水ー土) / 毎週月曜日、火曜日、祝日定休
入場料 : 無料
Instagram : @lag_liveartgallery
◆ Artist Biography
小林 茂太 | コバヤシ シゲタ
1985年新潟県生まれ。主な作品集に、「AURORA」(2019)、「cairn」(2020)、「stratum」(2022)、「池塘」(2023) があり、2023年 から地質学用語である”露頭”をキーワードに、「露れ」という作品の制作に取り組んでいる。また、出版レーベル『books cairn』を 2021年から主宰し、自身の作品集の出版、販売を行なっている。
Instagram : @shigetakobayashi0715