⻘喉:胡蝶が海峡を渡って行った
Amy Tong , Wu Jiaru
キュレーターに萬豐(ChrisWan)氏を迎えた、香港 出身のアーティスト Amy Tong と Wu Jiaru による二人展「⻘喉:胡蝶が海峡を渡って行った」は、香港が社会運動と新型コロナウイルスの流行に直面した現在の時代特性を 個人的な視点から捉え、一時一地を超えた現代における人間の状況について考察します。
そして、展覧会のタイトルは、1929 年に日本の詩人である安⻄冬衛が書いた有名な一行詩「一隻蝴蝶飛過韃靼海峽(てふてふが一匹韃靼海峽を渡って行った)」 より影響を受けています。
アーティストとキュレーターは本展における作品制作と探求のために東京へ渡航し、その成果は映像作品とキュレータ ーのキュレーション記に交錯して表れ、絵画やインスタレーション作品を展示します。Amy Tong の力強い黑い絵画と 白い陶磁器のインスタレーションは、記憶、夢、家族の歴史に焦点を当て、暗い地下空間で現代(現実)と歴史(過去)につ いての考察を行います。
一方、Wu Jiaru は柔らかい空間を 1 階に構築します。特異な反射布に鳥や花を描いて停滞した 現実を捉えようとし、「情感裝置 (Emotional Device)」シリーズでは抑制できない人間の感情表現を提示し、自動絵画 シリーズでは進むべき道についての困惑を探求します。2 人のアーティストは、ギャラリーの上下 2 階で、空間を分か ち、展示をしますが、展示が相互に呼応することで一つのプロジェクトを完成させます。
会期残りわずかですが、ぜひご覧ください。
Galerie Supermarkt
Galerie Supermarkt は、2021 年に世界的なパンデミックが蔓延した際、従来とは異なる現代アートへのアプローチへの 必要性を感じ、自身もアートコレクター、そしてアーティストとしても活動する Joiii Xu(ジョイ)により立ち上がりま した。あえてスペースを持たず、作品とアーティストに最適な場所で展覧会を構成することで、様々な場所、空間、環 境と共鳴し、従来の展示の制限を突破して柔軟で開放的な展示の表現と体験提案し、アーティストには育成プラットフ ォームを提供し、潜在力と創造力を持つ芸術家を育成し、世界にプレゼンテーションしていきました。 パンデミックに対応し、ポストコロナとなった現在は、固定のスペースを構えることで、恒常的なコミュニケーション を諸外国、特にアジア諸国の鑑賞者と交わし、現代美術の発展に務めるために 6 月より神宮前にスペースをオープンし ました。固定スペースをハブに、エリア特有のカルチャーと共鳴しつつ、各分野の専門のパートナーと協力し、Galerie Supermarkt は現代芸術の社会における可能性を体現していきます。
住所: 〒150-0021 東京都渋谷区神宮前3丁目-7-13
営業時間:12:00-18:00 (※定休日:日、月)
入場料:無料
Instagram:@galerie_supermarkt
◆ Biography
Amy Tong
Amy Tong の創作は、彼女の豊富な日常個人アーカイブの記録に根ざしている。彼女は日々ビデオや写真を撮影し、日記を書き、家族の数世代にわたる物品を慎重に保管し、これらの記録を基に、彼女はビデオ、テキスト、ジェル、繊維、絵画など、さまざまな材料や形式を用いて精緻な多媒体の実験を行いながら、世代を超えるトラウマ、神話、母 系の関係について回顧している。加えて、バウンマスアート大学で学士を取得。彼女は香港の Square Street Gallery と RNH Space で個展を開催し(どちらも 2021 年)、北京とロンドンのグループ展に参加。現在は、香港浸会大学視覚芸術学院の大学院に在学中。
Instagram: @amytingtong
Wu Jiaru
吳家儒(Wu Jiaru、1992 年生まれ)は香港で活動するアーティストで、彼女のアート実験はインスタレーション、ファウンドオブジェ、絵画、および生成されたデジタルイメージに及ぶ。彼女の作品は神話、文学、および親密な関係から、アイデンティティ、境界、歴史、個人化などの問題を探求している。彼女は 2014 年に清華大学を卒業し、美術と英語の二重学位を取得し、2017 年には香港城市大学で創造的メディアの修士号も取得。最近は、ニューヨークでの個展「外來線條豐富的秘密」(2023 年)を開催。また、彼女は香港大館 (2023 年)、Axel Vervoordt ギャラリー(2021 年)、 Para Site ギャラリー(2021 年)などのグループ展にも参加。 彼女の作品は Burger Collection、M+ Museum などの機関に収蔵されている。
Instagram: @wwwjjjrrr111
萬豐(Chris Wan)
香港で活動するキュレーター兼作家。 彼の執策と研究は地域性とアー トエコシステムの交差に焦点を当てている。「⻘喉」シリーズプロジェクト(2023、 香港、シンガポール、深センなど)、”一份收藏,兩次展演”(2022、Rossi & Rossi)、”塵”(2022、Whitestone)、”余炙 “(2021、Axel Vervoodt)などのキュレーションを担当。また、2023 年の香港 Art Central のパブリックプロジェクトおよびア ラブ首⻑国連邦の Abu Dhabi Art の「香港フォーカス」セクションのキュレーションにも招かれる。萬豐は多くの現代アートメディアに寄稿しており、ArtForum や ArtReview などで展評を執筆する。アートライティ ングプラットフォーム「島聚」(www.daoju.art)の創設者およびエグゼクティブエディターでもあり、この非営利アート 評論プロジェクト は香港を中心にした現代アートシーンに特に焦点を当てている。
◆ Exhibition Info
【 ⻘喉:胡蝶が海峡を渡って行った 】Amy Tong , Wu Jiaru 会期:2023年11月02日(木)-12月23日(土) 開廊時間:12:00-18:00 (※定休日:日、月) 会場:東京都渋谷区神宮前3丁目-7-13